定置網船:第三光漁丸
6時近くなったので定置網船の泊まっているところに行ってみる。さっき氷を氷冷室から一籠分運んでいた人がいたが、それは定置網船、第三光漁丸に積むものだった。大きな水槽にたったそれだけ?といった感じの量だった。
船員は5名。年季の入った漁師さん4人と若手の漁師さん一人。定置網には船が漁協から許可をもらい毎日漁にでるそうだ。漁場は港から船で10分ほど出たところにあった。第三光漁丸が6人乗りの小型船、第八光漁丸を引っ張っていく。(第四から第七は何処へ?)
定置網には2種類あり、一つは道網、もう一つは箱網というものだ。この二つがセットになっているそうだ。
道網は魚が目の前の障害物を避けるために右か左に曲がる習性を活かして獲る方法だ。障害物を避けた魚は一か所に集まる。それを獲るのだ。
第三光漁丸と第八光漁丸、2艘の船で網を操る。網に付いている縄を手繰り寄せて2艘の間の網の広さを縮めていく。その中に魚が追い込まれていく仕組みだ。この作業を開始してから10分くらいで魚を捕獲する準備となる。
道網で獲れる魚はヤズ(ブリの子)、イカ、ハガツオ、ヒラス(ヒラマサ)などである。他にカワハギなどもある。大きなすくい網には竹竿の取っ手が付いており、それを器用に操って魚を入れている。次にそのすくい網をフォークリフトで作業台の上まで持ち上げる。鎖で縮めてある網の底を緩めると魚が落ち出る仕組となっている。
魚は直ぐその場でカギと呼ばれる鎌のような道具で頭を差し、絞める。それを港から運んできた氷に海水を混ぜて作った冷水に入れていく。こうして血抜きが行われる。絞められる魚は最後のひと踏ん張り。スポンジの蒲団を敷いた作業台で漁師たちに抵抗するように最後の一踏ん張り、ピチピチ跳ねまくる。冷水の中でも暴れまくるものもいるが、最後には疲れ切って絶える。また漁師たちも次から次へ揚げられる魚を絞めながら水槽に入れていく。水槽から離れている漁師は自分の後ろに黄色いプラスチックの籠を置き、その中に絞めた魚を入れていく。一定の量になったら水槽へ移す。このようにすると効率的に短時間で多くの魚の処理が可能となる。