対馬の海洋保護区構想


海洋保護区とは?

海の生物が生きていくために また、海の恵みを人間が受け続けるために、生物のすみかのうち、ある範囲を決めて人間の活動をきちんと管理している場所のことです。 「場所をきめて、獲り過ぎないようにする漁業」は、海洋保護区の管理活動の一つです。 日本で「海洋保護区」という言葉が登場したのは、最近のことです。それまでも海外の事例などで学会などでは話題になっていましたが、役所の文書に登場し たのは2007年の海洋基本計画です。海洋保護区の日本での定義は、2011年の環境省の海洋生物多様性保全戦略で決められました。 対馬では、海洋保護区についてまだ知られていなかった2009年から、この保護区を決めて管理する方法に着目し、2010年からは推進協議会が結成され、 この分野を切り開いてきました。海のなかのこと、具体的には、誰が何をどうしたらいいのかと、こつこつと現場に即した議論が積み重ねられてきました。 海洋保護区と同じような考え方の仕組みは、日本にもありました。禁漁区、漁獲制限をしながら大事につかっている漁場も保護区です。 しかし、漁業を制限するかもという入口でどきどきしてしまって、そこから先に進む勇気がある地域はほとんどなかったのが実情です。 その後、少しずつ、島や半島など漁業が盛んな地域を中心に、海洋保護区に関心が高まってきました。北海道の知床半島は、世界遺産に指定されたときに、沿岸の3kmの範囲を管理対象としました。島では、沖縄の竹富町や石垣市も検討に着手しました。 そして、たぶん今年ぐらいから、海洋保護区は、日本の漁業を守るための重要な方法として、国内外でも注目されると思います。

対馬の海洋保護区の特徴

対馬の海洋保護区の検討の特徴は、漁業との関係を正面から議論している点です。海の生態系や環境を守ることが、末永く続けられる漁業や、海の恵を 受け続ける暮らしという持続可能な利用にもつながる、と。対馬では、このような考え方を、委員のほとんどが漁業者という「対馬市海洋保護設定推進協議会」 が平成22(2010)年に結成され、対馬が海の恵みを受け続けるための話し合いを続けています。 対馬の代表的な漁業は、すでにそれぞれ「協議会」をもっています。海洋保護区の会議では、その代表者が集まって対馬全体の漁業と海の保護の話を考えているのです。 実は、国内でも国際的にもこのような例は珍しいのです。

漁場図

漁場図

アカアマダイの資源保護区域およびアカアマダイの漁場。

アカアマダイの資源保護区域およびタチウオの漁場。

アカアマダイの資源保護区域およびタチウオの漁場。対馬市役所と九州大学の資料を参考。

例えばアマダイを例にとれば、次の図の様な操業区域の制限とともに休漁日の設定(毎月第二第四金曜日)、操業時間の制限(日の出から16時)、漁具の制限(タイ針11号以上)を行っています。 sougyoukuiki