比田勝発:日曜日の午後の過ごし方
上対馬漁協には他県からの漁師が何人か定置網専門で働いているという。大阪出身の若い漁師は高校を卒業してからで対馬に移住。漁師になりたくてこの地に来たそうだ。経験の乏しい若手の漁師見習いには就職先も見つけづらいそうだ。漁師不足の中、次の世代の漁師教育も大事である。
さて、午後12時ごろにアマダイ船が水揚げのため漁協に戻ってくるというので、それまでぶらぶらすることにする。マウンテンバイクを借りてあるので、ちょっとしたところならこれで行ける。
比田勝の隣にある西泊という漁村がある。ここを通り過ぎると三宇田海水浴場があるらしい。
それにしても自転車でサイクリングを楽しんでいるのは韓国の観光客ばかりだ。日本の観光客にはまだ会っていない。
地元の方にも良く出会わす。もともとフレンドリーなのか、よほど日本人観光客が珍しいのか、気軽に挨拶を交わすつもりが道端で長話となってしまう。国境の島、対馬。今までこのようにずっと「余所者」を快く受け入れてきたのだろう。拒むと孤立してしまうから。
三宇田ビーチは丘を越えてすぐだった。そしてそこはびっくりするくらい海の水が透き通っていて美しい。流石に日本の渚百選に選ばれただけある。本当にここは日本海なのか、と思わせるくらい明るい色調の緑のグラデーションを持つ青い海。
浜辺には地元の親子が水遊びを楽しんでいる他、静かに日陰で読書を楽しむ若者が一人。たったそれだけ、まるでプライベート・ビーチだ。アマダイの水揚げ時刻を気にしなくてすむなら、このまま海に飛び込んで泳ぎたい。しかし漁協から連絡がいつ入るかわからない状況、仕方が無いので砂浜に横になってその連絡を待つ。午後の日差しに照らされたクリーム色の砂浜が心地良く、温かい。
しかし対岸に目を向けると・・・。そこには漂着したゴミが散乱していた。